そこに僕はいた

辻仁成の小学校から高校までの思い出を語ったエッセイ。
函館山、何度も登ったから、あの高校に辻仁成がいたんだなと思って嬉しかった。
又吉くんにもいつも思うことだけど、びっくりするくらい些細なことを覚えていて、当時の状況や心情が鮮やかに描かれている。
まわりに、喧嘩っぱやい友達がいたことがないから、そういう人たちと仲良くなるっていうのはどういうことなんだろうって思う。
家庭の事情とかそういうものに、1人で必死に立ち向かってきた存在に、私は気づいて来なかったし、目を向けようとしてこなかったんだなあ。
「函館は日本のLAだぜ。」
「辻、自由なんてものはな、錯覚だったよ。」
「いつも一緒にいた奴らよりも忘れられない友達が後になっていっぱい現れたりするものである。」