恋するために生まれlた

江國香織辻仁成
冷静と情熱のあいだ」のゴールデンコンビが、恋と愛について思いっきり書いたエッセイ。
恋愛は、二人のものだから。誰の言葉も参考にはならない。だけど、この人たちのひどく率直な言葉たちが、恋することの素晴らしさを、やっぱり私にまっすぐ伝えてくるんだ。

「自分自身のことをよく理解していると誰もが思い込んでいるわけですが、ぼくは自分ほど理解に難しい存在を知りません。」
「そしてやっと記憶を取り戻した僕は、自分が自分を失っていたあいだ恋をしていたことを知るのです。」
「そのような特殊な恋の継続と、次第に自分の本質や人生への讃歌のようなものを見つめていく気の長い喜びこそ、僕にとってはね、愛だった。」
「むしろ最初にあった二人の愛情や恋心が現実の生活に負けただけなんだと思う。」
「人は好きなように生きられる」
「もう何もかも捨てても、私にはこれしかない、これが欲しい、一瞬でも
はっきりそう思えるもの。それが私にとっては恋愛だったんです。」
「愛されることは滅びることで、愛することは滅びないことである」
「「見せたい自分」っていうのは、演技であっても構わないとさえ思う。」
「億劫だなと思っても、誰かに会ったり、仕事をしたり、おいしいものを食べにでかけたりしないとエネルギーは生まれない。」
「その二人にとって、何を嘘と決めるかと同じように、何をルールとするかとか、何を選択するか、どういうのが自分たちにとって、いちばん快適で幸福かということは、もっともっと本当に個人的に、二人だけで決めていいことだと思います。」「愛してもらえるなら祖国を裏切るわ。友達を否定するわ。全世界がどうなろうと知ったことじゃない」
「だって、せっかく生まれてきたら、せっかく一人ぼっちで、孤独で生まれてきたら、知りたいじゃない?二人ってどんなことなのか。」