女のいない男たち

ドライブ・マイ・カーの原作、読みました。
いくつかの短編を融合させてあの映画ができあがったのね。
私は、2作目に収録されている「イエスタデイ」が非常に好きでした。
木樽の滑稽さや繊細さがよかった。文化交流っていうアイディアも気に入った。
村上春樹の小説は、ねむくなる。つまらないとかではなくて。

「観客のいない演技を。」
「彼女をいつか失ってしまうかもしれない。そのことを想像すると、それだけで胸が痛んだ」「いったん自己を離れ、また自己に戻る。」

「それでおれは、言うなれば自己を二つに引き裂かれたわけや」
「しかし人生とはそんなつるっとした、ひっかかりのない、心地よいものであってええのんか、みたいな不安もおれの中になくはない」
「文化交流みたいな感じで」
「誰かにすぐ大事な相談をもちかけられてしまうことも、僕の抱える恒常的問題のひとつだった。」
「木樽はたぶん、何かを真剣に求めているんだよ。」「普通の人とは違う彼自身のやり方で、彼自身の時間の中で、とても純粋にまっすぐに。」
「私の心の中には彼のためにとってある部分があるの。」
「好奇心と探求心と可能性」
「そして木樽は勘の良い男だよ」
「彼女は僕が真剣に興味を抱くには美しすぎた。昔も、今も。それに加えて、彼女の微笑みは本物であるにはいささか素敵すぎた。」

「そして自分の弱点を人前にさらけ出すことをさほど怖がらなかった。」

「おれは傷つくべきときに十分傷つかなかったんだ」

「僕はたぶんという言葉を使いすぎている。たぶん。」
「祈る以外に、僕にできることはなにもないみたいだ。今のところ。たぶん。」