おもしろかった。朝井リョウ、やっぱりすごい。
世の中の最先端を、こんなにも多面的に描写できるというのがすごい。
緻密な構成と、質感の硬い文章と。
そして大抵、わくわくするような仕掛けが待っている。
残酷なことが多いけれど。
多くの人が、「意味わからない」、「話したって分かり合えない」って思って避けて行ってしまうようなことを、丁寧にひも解いて、エンタメとして切り取ってる。
「なによりも、ものすごくきちんとした人間のふりをしている新郎新婦を見るのが好きなのだ。」
「自分の式が終わった次の日、俺、風俗行ったんだよなあ。さっさとどうしようもない自分にもどしたくて」
「自分の底を見せる」
「戻さないと、って」「戻さないと、自分を、って。コーハイが待ってるからだって」
「ドラマや漫画みたいに、いつでもどこでも何をしていても好き、というほどの気持ちはまだわからないけれど、そんな嵐のような感情の入口にひとり、そっと立っている予感を抱くことはある。」
「その場所じゃなきゃ手に入らないとか、その人じゃなきゃできないとか、そういうのって意味あるのかな」
「恋って」「その人とじゃないとできないって思うもの、かも」
「私の答えは、よく見慣れた町の景色にじょうずになじまなかった」
「この学校の男の子と日本の男の子は仲良くなれそうだけど、この学校の女の子と私みたいな日本の女の子は、なぜだか上手に仲良くなれないような気がした。」
「できないことがなくなって、誰もが同じようになるなんて、全く素晴らしくない。どうして皆、そのことがわからないんだろう。」
「二度と会いたくないと、もう顔も見たくないと思った日もあったけれど、それでもこうして、一緒に歩いてきたのだ。」
「書かなかった。」