素敵なタイトル。
穂村弘の読書日記。
知ってる本がまったく出てこなくてびっくりする。
まだまだ知らない世界がたくさんある。
たくさんの言葉を吸い込みたいです。
「細部のリアリティの積み重ねが大きな夢を支えている」
或る世代以降の日本人が成熟できない理由「多様化によって生まれた新しい教養をサブ・カルチャーと呼んで別扱いにし、教養の多様化を教養の崩壊とみなす軽薄と怠惰」
「そうさ、我々はみんなお互いをだまし合ってるんだ。みんながそのレールの上を行くように仕向けるためにね。君は幸せを実感することがあったかい。幸せだと思うそばからその幸福感は消えて行ってしまうんじゃないのかね。山下君、君はこう思ったことはないか?誰かにだまされてる、誰かにだまされてるって。」
「主観的には登場人物の全員が追い詰められ、ぎりぎりで生きているということだ」「人違いばかりしており君はただおそろしいほどひとりの人なのに」
「自分は今、とんでもない傑作を、ぜんぜん受けとめきれないまま、その価値をざあざあ零しながら読んでいる」
「あまりにも真っ当な人間観に怯む。」
「みわけかたおしえてほしい 詐欺にあい知的障害持つ人は訊く」
「ガキの俺はこわなった。俺を残してみんな言葉で繋がっとる。俺だけが独りぼっちや。でもな、それはちゃうんや。言葉なんてただのインチキ手品や。言葉なんてな、犬がムリヤリ着せられとる服みたいなもんや。でも犬は自分で服脱がれへん。どんなボロ服着とっても」
「くだり坂ばっかりだったはずなのにのぼってきたみたいにくるしい」
「誰かが不幸になるとしたらそれは本人の趣味ですよ」
「どちらかが間違っている。夕闇の反対車線、あんなに空いてる」