オーバーヒート

すごく、引き込まれた。

好きなテンションの語りだ。

さすが、哲学者だし、ツイッターの人。言葉の操り方や捉え方がものすごい。

あとは、やっぱりゲイの恋愛事情など、当事者の視点からの話はおもしろいなあ。

知らない世界の見え方がワクワクする。

「だから必要なもの以外はすべて無意味なノイズで、そしてひとたび必要なものがどこにあるかわかったら、それ以外のノイズは透明になった」

「僕は放置自転車なる概念を認めていない。自由駐輪と呼ぶべきだ。しかし自転車の取り締まりもこの間ひどくなった。新たな言葉をでっちあげて社会問題化する連中に対抗して、そんな言葉をそもそも認めないという闘いが必要なのである」

「大阪で新たな町へ行っても文脈がよくわからないからさほど新鮮味もない」

「歌詞がわからない外国のポップスのように、心地よさと苛立ちが混じり合った季節の刺激があるだけなのだった」

「ネットにちょっと言葉を撒いて魚が集まってきてたのしいのなら、このiPhoneはあの水槽にほかならない」

「客は多少のわがままを言ってもいいはずなのだが、僕は迷惑になりたくないといつも、どこでも、思う」

「罪というのも罪を犯したから申し訳なく思うのではなく、申し訳なく思うから罪になるのだ」

「何が大事かは僕一人で決める」

「僕は晴人に誠実であろうとしている。はずだった。だがこの店にいる。晴人だってどこで何をしているかわからないわけで」

「覚えておく。この姿を覚えておく。この紫色の姿を見て、覚えておくと思ったことを覚えておく。これはいつか必ず失われる姿なのだ。覚えておく。僕は僕のこの体を」