バカの壁

養老孟司の代表作。

今更感がありますが、読んでみました。

時々表現に引っかかりを覚えるけど、なるほど、と思うことも多かった。

情報は不変、人間は変化するのに、今はあべこべ状態になってる、というのはわかる感覚。政治家が嘘つきにしか思えないから、政治を遠ざけてしまうな。

個性はあって当たり前だということも。それより、人の気持ちがわかる人になりなさいと教えた方がいいという。確かに、常識の上にこそ、個性が発揮できるというのは、本当かもしれない。常識がないと、社会に適応できないから。そもそも、今の世の中、個性なんてなくてもできる仕事がほとんどだ。

眠っている間、無意識の間も、人生にカウントしていいって教えも、なんだか嬉しくなった。そうしないと、起きている時間がおかしくなってしまうって。

そして、なんだかんだで、私は、いろいろな角度から物事を見てみたいのでした。固定観念とか、既成事実とかは、疑ってみたくなるのでした。

「一元論にはまれば、強固な壁の中に住むことになります。それは一見、楽なことです。しかし向こう側のこと、自分と違う立場のことは見えなくなる。当然、話は通じなくなるのです」