同志少女よ、敵を撃て

やっと読めた。

デビュー作なんだ。素晴らしかった。

緻密で迫力満点で、かなわない。

戦争に、巻き込まれていった人達。誰も、そんなこと望んでなんかなかったのに。

ぞくぞくするような展開やシーンがあふれていて、何度も泣きそうになった。

誰が見方で誰が敵なのか、何が正義で何が犯罪なのか、そんなことがいっさいがっさいわからなくなる戦争の恐ろしさをつきつけられる。

伏線が至る所に見事に張り巡らされていて、登場人物の印象が軽やかに覆されていくのがすごい。

夢見ることも許されなくなった少年少女とか、そういうものに胸を撃たれる。

表紙の絵も素敵。

 

「誰も彼も正当化の術を身につけた。」

「この戦争には、人間を悪魔にしてしまうような性質があるんだ。」

「共に、生きて帰ったら......」「生きて帰ったら、村の再建をよろしく」

「頂点へ上り詰めた者の境地。そんなものはなかった。あるとするならば知っていた。」

「ママと一緒にモスクワのパン工場で働こうかなって」

「ドイツとソ連の橋渡しをして世界を平和にしたかったんだ。それでドイツ語を覚えたんだ」

「何でだろうな」

「自分がサッカー選手である世界なら。そのとき、あの女兵士は外交官だったのだろうか。」「だが、そうはならなかった。現実は一つしかない。」

「なあ、なんでだと思う?」

「無くなっているものの性質に気付いて、お前は敵地に潜入し、合図の赤い発煙を内側から上げると言った」

「殺すことを拒絶して生きる生き方、それを選ぶ道は、目の前にあった。」

「ずっと分かっていた。イリーナが、自分を生かしてくれたことを。」

「戦うのか、死ぬのか。」

「命の意味だった。」