黄色い家

さすが、川上未映子。おもしろかった。

成長するにつれて、見えてる景色が変わっていくこと。異常に気づかないままおとなになること。

詐欺の裏側なんかも、細かく描かれていて興味深かった。

「このさき、自分がどこで生きることになっても、何歳になっても、どうなっても、彼女のことを忘れることはないだろうと思っていた」

っていう冒頭がもう素敵。

桃子とのこととか、いろんなことの対立を、正義と正義のぶつかり合いを描くのが上手な人だなあと思う。

自分でも気づかないまま、周りからどんどん離れていってしまう強さ。

「正しくないよ、そりゃ正しくはないけど、でも間違ってるわけじゃない」

「金を出すやつは金を出してもらうやつより強い」

「自分で稼いだ金だけが自分の金で、自分を守ってくれるのは誰かの金ではない」

「外からはぜんぜん普通にみえる。でもあいつらはちょっとずつ自分を死なせてんの」「そういうやつらが本気でバカラをやりにくんの。それで、金の奥にいこうとする」