本の選び方にまつわる話

世の中には本がたくさんある。

本を読むのは、時間がかかる。

一生では読み切れない膨大の本の中から、どうやって本を選ぶか。

それは、けっこう重要な問題なのである。

 

私の本の選び方は、いろいろある。

ひとつは、タイトルや表紙をみて直感的に選ぶこと。

顔をみると人間性が何となく見えてくるように、表紙をみると本の内容がなんとなくわかってしまうのです。

 

ふたつめは、作家さんをみて選ぶこと。

やっぱり、本の生みの親である作家さんは、一度気に入ると他の作品も好きになる可能性は高いのです。

私も、時期によって、流行があります。

最近は、辻村深月。ちょっと前は、森絵都。その前はよしもとばなな伊坂幸太郎又吉直樹。大体同じ作家さんの作品を3~5くらい読んで、次に移っていきます。たまに。新しい作家さんに手を出しながらぐるぐるして、このひとはこんな作風だと思ってたけどこんな本もかけるのか、とか勝手に思ってにやにやするのです。

 

3つ目は、文章を読んで決めること。

これは、何パターンかあって、むかしは本屋の立ち読みみたいに、最初の何行か読んで、期待できたら全部読むというようなことをやってました。でも、最近は中途半端に読むのが何となく自分で許せなくて。

気に入っているやりかたは、最後の一行を読むこと。

最後の一行って、けっこう重要なことが書いてあったりする。

最後の一行をよんで、それまでのストーリーを知りたくなったら全部読むことにするのです。これのいいところは、読み進めていくうちに最後の一行に何が書いてあったかということは全部忘れていて、ようやく最後にたどり着いて、そうだった、最後の一行はこんなふうだった、って思うところ。

こんなストーリーがあって、その最後にたどりつくのね、って思って、読み切る嬉しさが倍増するのです。

 

他にも、信頼する人の本棚にある本を勝手に読んでみたり。直木賞芥川賞の受賞作や話題作を無条件で読んでみたり。

ひととおなじで、出会い方はいろいろ。

 

「私は、自分がこれまでに読んだすべてのものの一部である。」(セオドア・ルーズベルト