コンセントに続いて、田口ランディ2作目。
やっぱり、ものすごい。
少しぶっ飛びすぎて理解できないレベルで発想が常人とは違うのだし、精神病患者とか、サイコパスとか、その辺の知識がすごくて、興味が引きつけられる。
概念としての抽象的なモチーフをそれっぽく信じさせられるだけの表現力があるのだなあ。
目に見えないものが、たくさん見える人なのかなあと思う。
「あなたに起こったことはみんな、あなたにとっての現実だと思う」
「身内としゃべる人間特有の甘えたような悪ぶり方」
「私にとっての幸せって何だろう。それすらわからないのに、彼は私のどんな幸せを祈ってくれたのか。」
「まともな職業の男じゃないと思った。常人とは違う価値観の人間はすぐわかる。身体にまとっている空気が違うのだ」
「閉鎖社会は出ていく者を嫌う。」
「病院では言葉にできないことがとても多い。」
「だけど、私は分裂病の人たちがとても好きだった。なぜか、愛していたと言っても過言ではない。彼らの持つ特殊な知覚や、身体には、どこか奇妙な神聖さがあったのだ。」
「自然食で一人だけ健康になって、幸せなのかな。空気って繋がってるのに、自分だけ元気でいるなんて、そんなこと無理だと思う。」
「佐藤ミミは、味方か?」
「理解不能だった。正也の言語コードが解読できない。特に正也が感じている不安の領域が解読不能だ」
「戦争をやってる国は平気で毎日のように殺人を奨励している。合法的殺人は存在する。そのことは子供でも知っている。世界じゅうで紛争は絶えない。それなのに自分たちだけ平和ごっこだ。そして、地球に優しくと責められる。人は殺してはいかんと頭ごなしだ。ひどい矛盾だ。真面目に考える奴ほど狂うだろうよ。」
「この歌を聴いて心を震わせたすべての人たちの、その胸の奥にあるモザイクの一片と、私のモザイクの一片が、いまこの瞬間、ひとつになる。」
「みんな同じカケラをもっている。だから引き合うのだ。きっとそうだ。」
「毎日、価値を作って、毎日壊せばいい。毎日新しく関係して、毎日別れればいい。何をやっても調和してる。だって、世界はモザイクなんだから。」