著者の前2作に比べると少し物足りなく感じてしまうけれど、独特の感性は健在で。
世の中には、どうにもならなかった恋心みたいなもの、ほんとにたくさんあって、でもそういうものが人を変えてくれる。目に見えないようなところで。
安全な友達って、片方が思ってる時、大抵は片方が恋心を隠し持ってる。
たくさんの出会いと別れを繰り返して、ゆらゆら変わっていくんだなあと思う。
「形を変えて初めて、内面もそれに従って変わることが。」
「しかし、ドウォンはこの会話の中に、すでにある種の行間が生まれていることを感じ取った。それは、このあたりで極めて慎重な選択をしなければならないということを意味していた。」
「相変わらず、二人はどんな関係でもないドウォンはなぜかそう信じたかった。」「自身にあふれた笑顔、自分がジェインをどれほど傷つけたかまったくわかっていない顔だ。」
「いい子に育て過ぎたんだよ。それじゃあ世の中生きづらいとは知らなかった」
「イェジンの新しい彼氏についての話を聞かないで済むためなら、恋人の話をしながら浮かべている彼女の微笑みを消すことさえできるなら、どんなことでも言えるような気がした。」
「じっと座って、ただ人の消滅を見守るのを愛とは呼べなかった。」
「人はいつ切れるかもわからない関係を数え切れないほど結びながら生きていくということだ。」
「もうこんな涙を流す年ではない、こういう涙を流すのは人生でこれが最後だと、イェジンは思った。これは大人の涙ではないから。」