これはちゃうか

加納ちゃんの小説集。わたしはエッセイのほうが好きだけど、でも文章の才能がありすぎる。

人間のこと、よく知ってるなあって思う。いろんなタイプの人間のこと。

いつかラジオで、人間が好き、とか、言葉が好き、とか言うひとに違和感があると言っていた。そんなんあたりまえやん、と。

小説読んでてもやっぱり、加納ちゃんの明るさが、シビアさが、関西が、賢さが、着眼点が、唯一無二だと思う。

最後のカーテンの頃が一番好きだった。

「そういう設定でやってるんだね」

「どんな物語を描いていても、結局ここが一番主張したかったところなのだろう。」「思春期は誰だって「今日はちょっと友達と、」なのだから、これはニキさんが悪いわけではなかった。」

「でも息子の目にはこの町は映らなくなった。同じように、ニキさんの目にも、何時間眺めても海は映らなかった。」

「たしかに自分でも「すいませんぐらい言ったらいいのに」と思った。」

「高校のうちに友達つくっとけ、いけたら女も」