悲しがる君の瞳

銀色夏生

ちいさな世界でいきていくことのすばらしさを感じて、そのむずかしさに気が遠くなる。

「私たち二人の関係が 私たち二人にしかわからない理由で ずっと続いていきますように」

「いくつもの線がみえるよ 君とぼくのあいだには 乗り越えるべき たくさんの線が ぼくはそれを越えようとは思わない ぼくは あいだに 一本の線もない だれかと出会うはずだと思っている」

「こころが確かに何かと触れ合う瞬間 きっと君はどこかに存在するのだと 不思議なほど思う」

「恋人はラッキーボーイ」

「愛さなかったから愛されなかったのだ 最後のところで自分を守ってしまったから 最後のところで手を離されたのだ」

「僕たち二人の関係は 僕たち二人にしかわからない理由でいつか終わっていくだろう そう言うと 悲しがる君の瞳 悲しがる君の瞳」

「絶えず自ら突き放す 尊い犠牲を覚悟して カゴの中の鳥よりも 嵐の中のヒトとなれ 勇気をあげよう君だけに」