2023-01-01から1年間の記事一覧

泣かない子供

江國香織のエッセイ。 知らないことだらけの世界で、ひとつひとつ、確かめるように、生きていきたい。 筆者の生活には、いつも愛がある。 妥協しないで、ものをつくる人の姿勢に、背筋が伸びる。 「結婚するのがどういうことかというと、いちばんなりたくな…

アンソーシャル ディスタンス

金原ひとみの小説。 バランスを失っていく人を書くのが本当に上手。読んでいて、こちらが心配になってしまう。でも、小説の中では、狂気が正当なものになりうる。 なんだか金原ひとみの書く女性はほとんど不倫しているなあ。 死んだほうがマシなんてこと、本…

キングオブコント2023

今年も楽しかったな。 個人的に、ダントツ盛り上がったのはジグザグジキー。 すごく昔、好きになったコント師が、今年決勝であんなに最高のネタを披露しててほんと嬉しかったな。天才的だと思った。だから、落ちてしまってかなしかった。 それから、気に入っ…

lost in translation

lost in tlanslationいい言葉だな。 たっぷり東京を見せてくれる。 映像ががとてもきれいで、clearだった。余計なものがなくて、そこにあるものがよく見える。 I'm stuck. とか、I'm mean.とか。 誰かにそっと言える瞬間がある。 でも、普段の生活の中で、全…

トークサバイバー2

たくさん笑わせてもらった。 西田さん優勝、納得だ。鰻が絶滅するなんて、絶対に嫌だー、が最高だった。ほんとに独特の、誰にも思いつかない発想が天才的。 あと、顔に油性マジックした国ちゃんが、とってもらしくてよかった。 ほとんどなんにも覚えてないけ…

あの頃ペニー・レインと

音楽への愛が伝わる映画だね。 けっこうなボリュームで、見終わったときの満足感がありました。 ペニー・レイン、失恋するときの痛々しさも含めて、オーラがあって魅力的。 少しベタでご都合主義の展開が多かったりもするのだけど、醜いところもありつつなん…

天使の涙

なんなんだろう、この異常なかっこよさ。 常軌を逸した人たちがたくさん出てくるのだけど、全然憎めない。 一人称で語られる言葉が、たまに詩的でユニークで好きだ。 自分が店になったような気持ち、とか。 恋する惑星よりも、ストーリーラインがしっかりし…

エレファント

みどりがかった空の色がとてもきれい。 エリーゼのためにの旋律が不穏。 淡々と、高校の日常が映し出されていく映画。そして、銃乱射事件。 セリフっぽいところがまったくなく、ストーリーもなく、それぞれのライフと、少しの会話と雑音があるだけ。 Elephan…

きらきらひかる

昔読んだはずなのに、ちっとも覚えていなかった。表紙の優しい紫が好き。 書き出しから最高だし、睦月とか紺とか、名前がいい。 本当に、江國香織の文章は、ずっと読んでいたくなる。ときどきぎゅっと切なくなる。 きれいなものを、感じていたいな、書いてみ…

マルコヴィッチの穴

不思議な映画だった。 とても混乱する。ある日突然、人間の中身が変わってしまったとしても、周りの人には、どうすることもできないのだな、と思った。 SF的なおもしろさだけれども、性的な倒錯とか、コンプレックスからの変身願望とか、人間の根幹を揺るが…

おいしいごはんが食べられますように

これは、傑作だ。 高瀬さんは、淡々と、けっこう恐ろしいことを書いていく。 言いたいのに、言えないことが、見事に言語化されている。 職場って、どこもきっと歪なんだろうな。 誰が悪いとか、そういうの、みる視点によって変わってしまうし、表面に出てき…

河内カルメン

神保町シアターでみた。吉本のマンゲキの隣にあるのだね。 見事におじさんばかりだった。 日本の白黒映画、スクリーンでみたのは初めてかもしれない。 とっても良かった。軽快で、あけすけで。日本にもこんな時代があったんだなあって。 野川由美子、最高に…

日記(2023年9月)

バスケ、すごいな。本当にすごい。 友達が遊びにくる。仕事大変なのに毎日英語の勉強しててほんとにえらい。2軒目なんて、普段は行かない。 愚痴大会にはなりたくない。やるべきこと、やっていく。 がんばりたいことがあるんだ。 夜道を歩く。大好きな先輩。…

私小説

けっこう奇跡的に好きな人たちが集まっててびっくりした。 しいきともみってどんな女の人だろうって思ってたらmy hairの椎木くんその人でさらにびっくりした。 結果的に、椎木くんと、エリイという方の作品が気に入ってしまった。大衆に、届ける力がアーティ…

舞台

西加奈子の小説、魂がのってるからずっと読んでいられる。 自意識の強さ、どこかで共感してしまう。 ニューヨークの情景は、まるで自分が散歩してるみたいに性格だし、一人旅の高揚や焦りが、よく伝わってくる。 恥を恐れること、恥を捨てること、太宰治の影…

線は、僕を描く

水墨画をテーマに、青年の成長を描ききった作品。よくこんなにも水墨画の真髄や心情の変化を細かく根気強く描いてるなあと思った。 だけれど、少し意外性に欠けてしまって十分に楽しめなかったかな。 「心の内側を解き放つために、湖山先生は僕をここに呼ん…

犬のかたちをしているもの

さすが芥川賞作家だ。 セックスがしんどい時のこと、そう感じることで生まれてしまう関係性の歪みみたいなものを、正面切って、でも淡々と描いていてすごい。 奇妙な設定も引き込まれるし、ミナシロさんの存在もよい。あっけらかんとしてる人、ムカつくけど…

パリの砂漠、東京の蜃気楼

窓から遠ざかることを最優先に生きてきた筆者。最後のところが心に残る。 理由もなくずっと苦しいこと。どうしてこれまでやってこれたんだろうと思うこと。 それでも、生きていくこと。 日本という国の抑圧も、よく分かる。だけど、母国なんだ。 「今日は何…

奇面館の殺人

綾辻行人、2作目を読みました。本格ミステリ、楽しませてもらったな。とにかく設定や謎解きがワクワクする。 10作シリーズ、全部読めるかな。 登場人物や世界観がつながっていてよい。 緻密に緻密に、書いているのだろう。 ちょっとぶっ飛んでるのだけど…

増田まんが美術館

大量のまんががあって最高でした。 森園みるくのkiara、1巻だけ読んでゾクゾクした。 それから、ジョジョの奇妙な冒険、3巻まで読んだ。やっぱり、戦う系はあまりハマれないのかもしれない。だけど、荒木飛呂彦先生への興味が尽きない。 今日の一番の収穫は…

きりこについて

西加奈子はすごい。 こんなに正面切って、ぶすについて書けるなんて、本当にすごい。きりこのパンチ力はすごい。ちせちゃんもいい。 ヤリマンでも、強姦の被害者だ。 言葉を濁したりしない、魂の作家さんだなと思う。 誰に何と言われようと好きなように生き…

泣く大人

前も読んだのに、読み返してしまった。 江國香織の生き方が好き。 男友達に関する考え方、とってもよくわかる。 柔らかさの中に、信念を曲げない強さがある。 会ってみたいって思う、数少ない作家さんの1人です。 「たとえば髪を染めたりオートバイに乗った…

天空の城ラピュタ

改めてじっくり見たら、やっぱり素敵な素敵な映画だった。 いろんなメッセージと、ロマンと、あたたかさと、ユーモアと。 単純に、ジブリの絵が大好きだって思うし、脚本も含めて、こんなにハイレベルな世界観を創り上げることができるのが信じられない。 パ…

恋とそれとあと全部

住野よるっぽい作品だなあと思う。 とっても、なんていうか、めんどくさくてこっぱずかしいような。 めえめえ、サブレ、えびな、ダスト、ハンライのキャラ設定がなかなか良かったです。 あと、「私のお父さんが死んだことを夏の思い出にしないでください」て…

図書館で暮らしたい

辻村深月のエッセイ。 誠実で、穏やかな人柄がよく伝わってくる。本やアニメ、漫画への愛が伝わってくる。 いつか、サイン会とかいってみたいと思った。あと、やっぱり図書館ばっかりじゃなくて、新刊買いたいなっていう気持ちになった。 ジョジョの奇妙な冒…

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語

高橋源一郎、こんなに攻めた作品を書いていたとは知らなかった。 めちゃめちゃあけすけに、ユーモアを織り交ぜながら、わりと過激な内容が進んでいく。差別発言的なものもばんばん出てくるし、けっこう圧倒されてすごいなと思った。 人間の、醜くて惨めな部…

卒業するわたしたち

加藤千恵の短編集。短歌と同じで、なんだか感傷的でベタな世界観。でも読んでしまう。 おばあちゃんになっても、たぶん、いつまでも少女の部分がある。 「離婚理由は、この先さまざまなものを共有する自信がなくなったから、だって」 「本当に欲しかったもの…

星の子

今村夏子の星の子。 今村夏子は、淡白で上品で少し奇妙な世界観を持っているイメージ。 無駄な言葉がない。 ただ、宗教団体の一員である親を持った子どもの生活を、穏やかに、偏見なく、たまに鋭く書ききっているのがすごいなあと思う。 静かなのに、雄弁な…

坂口恭平

スペースの坂口恭平と宮台真司の対談を、いまさらながら聞きました。 坂口恭平という人間が、びっくり仰天だった。 絵と、音楽と、文章と。命の電話とシャーマンと、セックスとドラッグと。 革命家なんて、日本にいないと思ってた。 子どもとの話し方が、率…

日記(2023年8月)

幽体離脱がうまくできない。 心が通えたかもしれない瞬間が、嬉しかったですよ。 夏の週末。一人で自転車を漕ぐ。何でもできる気がする。 覚悟を決める。3月まで、走り抜ける。 酔っ払ってブラックアウト。 何やってんだろう、苦しい。 眼の前のこと、大事に…